1ヶ月前に、ラジオをそのままインターネットで聞けるサイマル放送サービス「radiko」の、グレーなまま突っ走る姿勢が素晴らしい!ということを書きました。
(→「インターネットとマスメディア 〜否定する側と突破する側、ラジオの豪腕〜」)
そして、ここにまた「radiko」がグレーのままでも突き進む、その豪腕を振り回して来たのです!
それが、「タイムフリー」と「シェアラジオ」です。
「タイムフリー」は、ラジオで放送された過去一週間の番組を、ネットで誰でもいつでも無料で聞けるというもの。
残念ながら、スポーツ中継と例の「ネットで所属タレントの写真が絶対に使えない事務所」が絡んでいる番組は、その対象になっていませんが…。
しかし、radikoに参加している全てのラジオ局の番組のほとんどが、いつでも聞けるサービスなんて、思いもよりませんでした。
というか、あればうれしいけど、各局の利権を考えると、そんなアイデアは出すまでもなく当然不可能と思うのが普通です。
いったい、どうやって話をまとめのでしょうか ?
局の垣根を超えて、「ラジオ」という単位での権威の復興を説いたのかも知れません。
実際に、タイムフリーのウェブページにアクセスしてみると、各ラジオ局の番組表が横並びになっています。ニッポン放送とTBSラジオの番組がひとつの番組表の上にならんで、クリックひとつで、どちらでも聞けてしまう状態なのです。
これは、まさに長年の仇どうしがタッグを組んだ薩長同盟そのものです。
さて、この同盟に倒されるのは、どこなのでしょうか?
このサービス、半年以上前から何度もアナウンスを出していた「ワイドFM放送」の時と違って、突然に始まった感じがあります。
これも横槍を入れない作戦なのかも知れません。
そして、もうひとつの新しいサービスが、「シェアラジオ」です。
これは、タイムフリーでラジオを聴取している時に、画面上のシェアボタンをクリックすると、facebookやツイッターで、ボタンを押したところからシェアできるというものです。
SNS以外でもシェアできる単純なURLも発行できます。
誰もが好きな場所で、好きな番組を公認でシェアできるなんて、今までにないサービスです。
今までは、誰かがYoutubeにアップした限りなく黒に近いグレーな音源をシェアするしかなかったので、格段の進歩と言えます。
これも「一週間だから、ね?」という具合に押し切ったのだと思います。
実は、このふたつのサービスの登場を、2年半前に予言した人がいました。
それは、宇多田ヒカルさんです。
そんな彼女が約2年半前(2014年3月)、ラジオレギュラー番組「KUMA POWER HOUR with Utada Hikaru (InterFM)」最終回のエンディングでこのように語りました。
「今後、ラジオが例えば、番組が放送されたあと一定期間ストリーミングでネットで聴けるとか<中略>そうゆうようなポジティブな変化が今後どんどん進んでいくといいなと思っています。ラジオと現代の生活スタイルとか、他のメディアをこう全部繋げるような変化があるといいな」と。「シェアラジオ特番について」より抜粋(http://shareradio.jp/)
アーティスト活動をやめた後でも、ラジオだけは続けていた彼女。
もしかして、闇の豪腕フィクサーとは、彼女のことだったのかも?……
そんな都市伝説は置いといて、踏み留まることなくグレーなワールドを突っ走る radiko の世界をぜひ、体験してみて下さい!
→「radiko.jp」