チーズが高くて嫌になる! 〜なぜ日本でチーズを買うとバカみたいに高いのか?〜

fromaggio

私はチーズが大好きです。特にナチュラルチーズが。
日本のスーパーで売られているのは、ほとんどがプロセスチーズになります。
プロセスチーズは、ナチュラルチーズを溶かして、あれこれ混ぜものをして型に流して固めたものです。

牛乳を発酵させたナチュラルチーズは、ちょっと大きいスーパーや輸入食材店に行けば買うことができますが、なんとも高い!
100gで300円とか400円とか、かなり高価なのです。

その原因は関税にあります。
ナチュラルチーズのほとんどは海外から輸入したもので、その関税率は30%。

『じゃあ、チーズを輸入しないで日本で作れば安くなるじゃん!』と思うことでしょう。しかし、そこにもからくりがあるのです。
牛乳は、地域の農協が各農家から買い取って、それを必要とする乳業メーカーに販売しています。
その買い取り価格が、飲用向け(いわゆる牛乳になる)が110円/1kgなのに対して、なぜか、バターやチーズ向けの加工用は80円/1kg。
しかも、チーズを作るにはできあがりの量の10倍の牛乳が必要になります。
自分が農家だったら、当然飲用向けとして農協に牛乳を売ります。
そうなるとチーズの原料が少なくなります。原料を手に入れるのも大変で、しかも手間がかかるチーズづくりを誰がしようと思うのか…と、いうことです。

そんな中、こんなニュースがありました。

「チーズの関税どうなる? EUとのEPAで大枠合意」
ハフィントンポスト

EUと日本で特定の品目に課されている関税を撤廃しようという話し合いです。

「チーズのための車」という呼び名もあるこの話し合いは、日本から輸出する自動車の関税と、EUから日本に輸出されるチーズやワインの関税をお互いにゼロにしようというものです。

もし、これが合意に至れば、輸入のナチュラルチーズが安くなるというわけです。

「これは、期待大!!」と思ったのですが、フタを開けてみると、ワインと高い豚肉は即時撤廃なのですが、メインキャストのハズのチーズは、なんと「15年かけてゼロに近づけて行く」というなんともしょっぱい内容でした。

日本国内でもたくさんチーズを作っていて、そこに安い輸入のナチュラルチーズが入ってくると困る…というものであれば、この先延ばしも納得できるのですが、国内でもあんまり作っていないのに、何を守るものがあるのでしょうか?
それならば、チーズを作るところに牛乳並に補助金を出して国内のナチュラルチーズの生産量を増やすべきです。それとも、美味しくて安いナチュラルチーズが入ってくると国内で成形しているプロセスチーズが売れなくなるとでも思っているのでしょうか?

最後に、各国のチーズの価格を比べてみました。
各国共通のチーズがあまりないのですが、カマンベールチーズで比べています。

日本と各国のチーズの値段比較

日本:アメリカ:イタリア:フランス(日本を1とする)
1 : 1 : 0.5 : 0.2

日本(イオンネットショップ
100g 365円 1gあたり約3.7円

アメリカ(AmazonFresh※カナダ産
200g 6.58ドル 1gあたり約3.6円
1ドル=109円で換算

イタリア(cicalia※カマンベールがないので似ているもので比較
250g 3.44ユーロ 1gあたり約1.9円
1ユーロ=135円で換算

フランス(Auchan:Direct
250g 1.53ユーロ 1gあたり約0.83円