こどもの情操教育のために、ペットを飼おうと思い立った親御さんがいるとします。
おそらく、犬と猫のどっち?というのが大半の選択肢にあがります。
もし、その相談を受けたとしたら、私は迷わず「猫」をオススメしたい。
猫は神なのです。
この場合の神というのは、「自然」という意味です。
「犬は人間のともだち」というのを良く耳にします。
確かに、犬には人間のご機嫌をうかがったり、人間の期待に応えることを喜びとしているふしがあります。
猫はどうでしょうか?
よく言われることが「猫は自分勝手」というものです。
しかし、猫といっしょに暮らしてみると、自分勝手ではなくて、常に自分に正直なんだと感じます。
おもちゃを転がして遊んでいるときも、かまって欲しくて鳴きながらまとわりついてくるときも、猫は100%そうしたいと思っているからそうしているのです。常に本気で生きているのです。
「今は忙しそうだから」とか気を使って、いっしょに遊びたいのに部屋の隅でじっと待っているなんてことはしません。
自然現象もそうです。「庭の見た目が悪くなるから」と気を使って雑草が生えないなんてことはありませんし、「これ以上降ったらこまるだろうから」と止む雨なんてありません。
人間のことなどお構いなしという点では、常に本気の猫も自然現象も同じなのです。
そして洋の東西を問わず、キリスト教が大人気になる前の人間は、自然の中に神を感じてきました。
特に日本は、すべてのものに神が宿ると考えています。
そして自然に起こるものを受け入れてきました。
だっこして欲しくて、グルグル言いながら猫が近づいてきます。
腕に抱いて、ゆらしてやります。
気持ちよさそうに、眠っています。
しばらくすると、いきなり腕にガブガブと噛みついてきたりします。
「痛い痛い」と言いながらもなんだか嬉しそうな人間がいます。
そう、ここでも自然を受け入れているのです。
なので、猫と暮らすということは、家の中に自然=神を招き入れて、時には理不尽に感じることも受け入れるという大切な事をこどもに伝える絶好の機会になるのです。
迷うことがあるのなら、ぜひ神と暮らすことをご検討されてはいかがでしょうか。